いとほしやさらに心の幼びて
魂切れらるる恋もするかな
- 歌の意味
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かわいそうなことよ。今さらに心が幼くなって、魂も消え入るような恋をすることよ。
- 鑑賞
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雑歌 1320
詞書は前の歌に続き「恋百十首」
かわいそうなことだ、今さらになって心が子どものように幼くなり、魂も消え入るような恋をすることよ、と詠む。
年を重ねた身でありながら、恋によって心が幼子のようになってしまう自分を、哀れみと自嘲を込めて見つめている。次の第千三百二十一首でも、恋する心が稚児のようになると詠まれ、二首が対をなしている。
初句「いとほしや」は、かわいそうなことよ、と嘆く初句切れである。
二句「さらに心の」は、今さらに心が、の意である。
三句「幼びて」は、子どもっぽくなって、の意である。
四句「魂切れらるる」の「魂切る」は、魂が消え入るほど悲しむ意で、本文は「たまきれらるる」とある。
結句「恋もするかな」の「かな」は詠嘆の終助詞である。
をさなぶ:子どもっぽくなる
たまぎる:魂が消え入るほど悲しむ、驚く
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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わりなしやいつを思ひの果てにして 月日を送る我が身なるらん
- 次の歌
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君慕ふ心のうちは稚児めきて 涙もろくもなる我が身かな