いくほどもながらふまじき世の中に
物を思はでふるよしもがな
- 歌の意味
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いくらも生き長らえることのできないこの世の中で、物思いをせずに過ごせるすべがあればよいのに。
- 鑑賞
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雑歌 1323
詞書は前の歌に続き「恋百十首」
どれほども長く生きられるわけではないこの世の中で、せめて物思いをせずに過ごせる方法があればよいのに、と詠む。
人生の短さを自覚しながら、その限られた時を恋の物思いに費やしてしまうことへの嘆きである。無常観と恋の苦しみとが結びついている。
初句「いくほども」は、どれほども、の意である。
二句「ながらふまじき」は、生き長らえることができそうもない、の意である。
三句「世の中に」は、この世の中で、の意である。
四句「物を思はで」の「で」は打消の接続助詞で、物思いをせずに、の意である。
結句「ふるよしもがな」の「ふる」は時を過ごす意、「もがな」は願望の終助詞で、過ごす方法があればよい、と結ぶ。
ふ:時を過ごす、経る
もがな:〜があればよい
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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なつかしき君が心の色をいかで 露も散らさで袖に包まん
- 次の歌
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いつか我塵積む床を払ひあけて 来んと頼めん人を待つべき