憂きによりつひに朽ちぬる我が袖を
心尽くしに何忍びけん
- 歌の意味
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恋のつらさのために、とうとう涙で朽ちてしまった我が袖なのに、どうしてあれほど心を尽くして忍んできたのだろう。
- 鑑賞
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雑歌 1326
詞書は前の歌に続き「恋百十首」
恋のつらさのために、ついには涙で朽ちてしまった我が袖であるのに、これまでどうしてあれほど心を砕いて人目を忍んできたのだろう、と詠む。
袖が朽ちるほど泣いてしまった今となっては、忍んできた苦労も無意味だったと振り返る、虚しさの歌である。忍ぶ恋の果てに残ったのは、朽ちた袖ばかりであった。
初句「憂きにより」は、恋のつらさのために、の意である。
二句「つひに朽ちぬる」は、ついに朽ちてしまった、の意である。
三句「我が袖を」は、我が袖であるのに、の意である。
四句「心尽くしに」は、心を砕いて、あれこれと思い悩んで、の意である。
結句「何忍びけん」の「けん」は過去の原因推量の助動詞で、どうして忍んできたのだろう、と結ぶ。
こころづくし:あれこれと思い悩むこと
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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よたけたつ袖にたたへて忍ぶかな 袂の滝に落つる浪を
- 次の歌
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心から心に物を思はせて 身を苦しむる我が身なりけり