ひとりきて我が身にまとふ唐衣
しほしほとこそ泣き濡らさるれ
- 歌の意味
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一人で着て我が身にまとう唐衣は、しおしおと泣き濡らされてしまうことだ。
- 鑑賞
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雑歌 1328
詞書は前の歌に続き「恋百十首」
恋人が来ないまま一人で着て、我が身にまとう唐衣は、しおしおと涙に泣き濡らされてしまう、と詠む。
共寝のために重ねるはずの衣を一人で着るわびしさと、その衣を濡らす涙とを詠んでいる。「ひとりきて」に、一人で「着て」と、一人で「来て」とを掛け、訪れのない独り寝の寂しさを表している。
初句「ひとりきて」の「きて」は、衣を「着て」と、人が「来て」を掛けた掛詞である。
二句「我が身にまとふ」は、我が身にまといつける、の意である。
三句「唐衣」は、美しい衣で、「着る」の縁語である。
四句「しほしほとこそ」の「しほしほ」は、涙に濡れてしおれるさまで、「こそ」は強意の係助詞として已然形「るれ」と係り結びをなす。
結句「泣き濡らさるれ」は、泣き濡らされてしまう、の意である。
きる:衣を「着る」意と、人が「来る」意を掛ける
しほしほ:涙に濡れてしおれるさま
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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心から心に物を思はせて 身を苦しむる我が身なりけり
- 次の歌
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言ひ立てて恨みはいかにつらからん 思へば憂しや人の心は