思ひきやかかる恋路に入り初めて
避くかたもなき嘆きせんとは
- 歌の意味
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思いもしなかった。このような恋の道に踏み入りはじめて、避けようもない嘆きをすることになろうとは。
- 鑑賞
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雑歌 1332
詞書は前の歌に続き「恋百十首」
思いもしなかった、このような恋の道に足を踏み入れて、逃れようもない嘆きを味わうことになろうとは、と詠む。
恋を道にたとえ、一度踏み入ったら引き返すことも避けることもできない苦しみであることを、反語の初句によって強く表している。恋の始まりを振り返り、その深い苦しみに驚く心である。
初句「思ひきや」の「や」は反語で、思っただろうか、いや思いもしなかった、と言い切る初句切れである。
二句「かかる恋路に」は、このような恋の道に、の意である。
三句「入り初めて」は、入りはじめて、の意である。
四句「避くかたもなき」は、避けようもない、の意である。
結句「嘆きせんとは」は、嘆きをすることになろうとは、の意で、倒置によって初句の内容を示している。
こひぢ:恋の道
よく:避ける
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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人知れぬ涙にむせぶ夕暮は ひきかづきてぞうち伏されける
- 次の歌
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危ふさに人目ぞつねに避かれける 岩の角踏むほきの懸け道