吹く風に露もたまらぬ葛の葉の
うらかへれとは君こそ思へ
- 歌の意味
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吹く風に露もとどまらない葛の葉が裏返るように、私の心が恨みに翻れとは、あなたこそ思っているのだ。
- 鑑賞
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雑歌 1335
詞書は前の歌に続き「恋百十首」
吹く風に露もとどまらず葛の葉が裏返るように、私の心が恨みへと翻ってしまえと、あなたこそが思っているのだろう、と詠む。
葛の葉は風に吹かれて白い裏を見せることから、「裏見」すなわち「恨み」の縁語として和歌に詠まれる。相手の冷たさは、自分に恨ませようとしているのだとしか思えない、という心である。
初句「吹く風に」は、吹く風によって、の意である。
二句「露もたまらぬ」は、露もとどまらない、の意で、少しも、の意も響かせている。
三句「葛の葉の」は、葛の葉のように、の意で、「うらかへれ」を導いている。
四句「うらかへれとは」の「うら」は、葉の「裏」と、「恨み」の「うら」を掛けた掛詞で、葉が裏返るように心が恨みに翻れとは、の意を表す。
結句「君こそ思へ」の「こそ」は強意の係助詞で、已然形「思へ」と係り結びをなす。
くず:葛。葉が風に裏返るさまが「恨み」の縁とされた
うらかへる:「裏返る」意と、「恨み」に翻る意を掛ける
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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知らざりき身にあまりたる嘆きして 隙なく袖を絞るべしとは
- 次の歌
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我からと藻に住む虫の名にし負へば 人をばさらに恨みやはする