我からと藻に住む虫の名にし負へば
人をばさらに恨みやはする
- 歌の意味
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自分のせいだと、藻に住む虫のわれからという名を負っているので、人を少しも恨んだりはしない。
- 鑑賞
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雑歌 1336
詞書は前の歌に続き「恋百十首」
藻に住む虫の「われから」という名のとおり、恋の苦しみは自分のせいなのだから、人を少しも恨んだりはしない、と詠む。
古今和歌集の「海人の刈る藻に住む虫のわれからと音をこそ泣かめ世をば恨みじ」を踏まえている。われからは海藻に住む小さな甲殻類で、その名に「我から」すなわち自分から、の意を掛けている。本巻の第千三百二十七首と同じく、苦しみの原因を自分に求める心である。
初句「我からと」の「われから」は、海藻に住む虫の名と、自分からの意の「我から」を掛けた掛詞である。
二句「藻に住む虫の」は、海藻に住む虫の、の意で、本歌の句を受けている。
三句「名にし負へば」の「し」は強意の副助詞で、その名を負っているので、の意を表し、字余りとなっている。
四句「人をばさらに」の「さらに」は、少しも、まったく、の意である。
結句「恨みやはする」の「やは」は反語で、恨んだりするだろうか、いやしない、と結ぶ。
われから:海藻に住む小さな甲殻類。「我から」を掛ける
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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吹く風に露もたまらぬ葛の葉の うらかへれとは君こそ思へ
- 次の歌
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むなしくてやみぬべきかな空蝉の この身からにて思ふ嘆きは