- 歌の意味
- 包み隠しても、袖の外にこぼれ出て、気がかりで油断ならないのは涙であったよ。
- 鑑賞
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雑歌 1338
詞書は前の歌に続き「恋百十首」
どれほど包み隠しても、袖の外にまでこぼれ出てしまい、気がかりで油断がならないのは涙であった、と詠む。
本巻の第千二百四十三首、第千二百四十七首と同じく、忍ぶ恋を露わにしてしまう涙を主題としている。「うしろめたし」という語に、いつ涙が人目につくかとはらはらする不安な心が表れている。
初句「包めども」の「ども」は逆接で、包み隠しても、の意である。
二句「袖より外に」は、袖の外に、の意である。
三句「こぼれ出でて」は、こぼれ出て、の意で、字余りとなっている。
四句「うしろめたきは」の「うしろめたし」は、気がかりで不安である意である。
結句「涙なりけり」の「けり」は気づきの詠嘆で、涙であったよ、と結ぶ。
うしろめたし:気がかりで不安である
- 作者
- 西行
- 出典
- 山家集
- 前の歌
- むなしくてやみぬべきかな空蝉の この身からにて思ふ嘆きは
- 次の歌
- 我ながら疑はれぬる心かな ゆゑなく袖を絞るべきかは