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いかさまに思ひ続けて恨みまし
ひとへにつらき君ならなくに

歌の意味
どのように思い続けて恨んだらよいのだろう。ひたすら冷たいだけのあなたではないのに。
鑑賞
雑歌 1345

詞書は前の歌に続き「恋百十首」
 どのように思いを巡らせて恨んだらよいのだろう、あなたはひたすら冷たいだけの人ではないのだから、と詠む。
 ときには優しさも見せる相手を、恨みきることもできない複雑な心を詠んでいる。完全に冷たい人ならば恨むこともできるが、そうではないからこそ、かえって苦しいのである。

 初句「いかさまに」は、どのように、の意である。
 二句「思ひ続けて」は、思いを巡らせて、の意である。
 三句「恨みまし」の「まし」はためらいの意志を表し、恨んだらよいだろう、の意で、三句切れとなる。
 四句「ひとへにつらき」の「ひとへに」は、ひたすら、もっぱら、の意である。
 結句「君ならなくに」の「なくに」は、ではないのに、の意で、倒置によって恨みきれない理由を示している。

ひとへに:ひたすら、もっぱら
作者
西行
出典
山家集
前の歌
かつすすぐ沢の小芹の根を白み 清げに物を思はずもがな
次の歌
恨みても慰めてまし中々に つらくて人の逢はぬと思へば