恨みても慰めてまし中々に
つらくて人の逢はぬと思へば
- 歌の意味
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恨んでも、かえって心を慰めていよう。冷たいからあの人が逢わないのだと思えば。
- 鑑賞
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雑歌 1346
詞書は前の歌に続き「恋百十首」
恨みながらも、かえって心を慰めていよう、あの人が逢ってくれないのは、ほかに理由があるのではなく、ただ冷たいからなのだと思えば、と詠む。
前歌が恨みきれない心を詠んだのに対し、相手が冷たいからだと割り切ることで、かえって気持ちを慰めようとしている。ほかに恋人がいるといった理由ではないと思うことが、慰めとなっているのである。
初句「恨みても」は、恨んでいても、の意である。
二句「慰めてまし」の「まし」はためらいの意志を表し、慰めていよう、の意である。
三句「中々に」は、かえって、の意で、三句切れの前に置かれている。
四句「つらくて人の」は、冷たいからあの人が、の意である。
結句「逢はぬと思へば」は、逢わないのだと思えば、の意で、倒置によって慰めとなる理由を示している。
なかなかに:かえって、むしろ
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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いかさまに思ひ続けて恨みまし ひとへにつらき君ならなくに
- 次の歌
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うち絶えて君に逢ふ人いかなれや 我が身も同じ世にこそは経れ