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うち絶えて君に逢ふ人いかなれや
我が身も同じ世にこそは経れ

歌の意味
ほかとの縁を絶ってあなたに逢う人は、いったいどういう人なのだろう。私も同じこの世に生きているのに。
鑑賞
雑歌 1347

詞書は前の歌に続き「恋百十首」
 ほかとの縁をすっかり絶ってあなたに逢っている人は、いったいどういう人なのだろう、私も同じこの世に生きているというのに、と詠む。
 恋しい人に逢うことのできる恋敵をうらやみ、同じ世に生きながら、なぜ自分は逢えないのかと嘆いている。嫉妬と不公平感の混じった心情が表れている。

 初句「うち絶えて」は、すっかり途絶えて、ほかとの縁を絶って、の意である。
 二句「君に逢ふ人」は、あなたに逢っている人は、の意である。
 三句「いかなれや」の「や」は疑問で、どういう人なのだろう、の意を表し、三句切れとなる。
 四句「我が身も同じ」は、私も同じ、の意である。
 結句「世にこそは経れ」の「こそ」は強意の係助詞で、已然形「経れ」と係り結びをなし、世に生きているのに、と逆接的に結ぶ。

ふ:時を過ごす、生きる
作者
西行
出典
山家集
前の歌
恨みても慰めてまし中々に つらくて人の逢はぬと思へば
次の歌
とにかくに厭はまほしき世なれども 君がすむにも引かれぬるかな