巻ごとに玉の声せし玉章の
たぐひはまたもありけるものを
- 歌の意味
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一巻ごとに玉を転がすような美しい声の響いた手紙、その類いは、またとこの世にもあったのですね。
- 鑑賞
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雑歌 1351
詞書「この集を見て返しけるに」
前の恋百十首の集を見た院の少納言の局が、それを返す際に添えた一首である。一巻ごとに玉のように美しい声の響く手紙、そのような類いのものが、またこの世にあったのですね、と讃えている。
「玉の声」「玉章」と「玉」を重ね、西行の恋歌の一首一首を宝玉にたとえて賞賛している。「玉章」は手紙の意で、恋の歌を恋文になぞらえている。次の第千三百五十二首の西行の返歌と一組をなす。
初句「巻ごとに」は、一巻ごとに、の意で、恋百十首を収めた巻物を指す。
二句「玉の声せし」は、玉を転がすような美しい声がした、の意で、歌の美しさをたたえている。
三句「玉章の」は、手紙、消息の意で、恋の歌を恋文になぞらえている。
四句「たぐひはまたも」は、その類いはまたとも、の意である。
結句「ありけるものを」の「ものを」は詠嘆を込めた逆接で、あったのですね、と感嘆を表している。
たまづさ:手紙、消息
たぐひ:同類、仲間
- 作者
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院少納言局
- 出典
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山家集
- 前の歌
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逢ふと見しその夜のりのさめてあれな 長き眠りは憂かるべけれど
- 次の歌
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よしさらば光なくとも玉と言ひて 言葉の塵は君磨かなん