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雪積みて木も分かず咲く花なれや
常磐の松も見えねなりけり

歌の意味
雪が積もって、木の種類も区別せずに咲く花なのだろうか。常緑の松さえも見えなくなってしまった。
鑑賞
雑歌 1361

詞書は前の歌に続き「雪の降りけるに」
 雪が積もって、どの木とも区別なく一面に咲く花なのだろうか、常緑の松さえも雪に覆われて見えなくなってしまった、と詠む。
 木々に積もる雪を花に見立て、それがどの木にも区別なく咲くので、常緑の松さえ見えなくなったという趣向である。前歌で松の下だけ色が残ると詠んだのに対し、ここでは松までもが雪に埋もれており、雪の深まりが示されている。

 初句「雪積みて」は、雪が積もって、の意である。
 二句「木も分かず咲く」は、木の種類も区別せずに咲く、の意で、字余りとなっている。
 三句「花なれや」の「や」は疑問で、花なのだろうか、の意を表し、三句切れとなる。
 四句「常磐の松も」は、常緑の松さえも、の意である。
 結句「見えねなりけり」は、本文、読み仮名の行ともに「みえね」とあり、「見えぬ」の意に解する。見えなくなったのであったよ、と結ぶ。

ときは:永久に変わらないこと。常緑
作者
西行
出典
山家集
前の歌
松の下は雪降る折の色なれや 皆白妙に見ゆる山路に
次の歌
花と見る梢の雪に月冴えて たとへん方もなき心地する