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花と見る梢の雪に月冴えて
たとへん方もなき心地する

歌の意味
花と見える梢の雪に、月の光が冴え冴えと照らして、たとえようもない心地がする。
鑑賞
雑歌 1362

詞書は前の歌に続き「雪の降りけるに」
 花のように見える梢の雪に、月の光が冴え冴えと照り映えて、何にもたとえようのない美しさに心打たれる、と詠む。
 雪と月と花という、和歌の代表的な美しい景物を一首に重ねた、雪月花の歌である。梢の雪を花に見立て、そこに冴えた月光が加わる、冬の夜の澄明な美を捉えている。

 初句「花と見る」は、花のように見える、の意で、前歌の見立てを受けている。
 二句「梢の雪に」は、梢に積もった雪に、の意である。
 三句「月冴えて」は、月の光が冷たく澄みわたって、の意である。
 四句「たとへん方も」は、たとえようも、の意である。
 結句「なき心地する」は、ない心地がする、の意である。

さゆ:冷たく澄みわたる
作者
西行
出典
山家集
前の歌
雪積みて木も分かず咲く花なれや 常磐の松も見えねなりけり
次の歌
まがふ色は梅とのみ見て過ぎ行くに 雪の花には香ぞなかりける