- 歌の意味
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樒を置く閼伽の折敷に縁がなかったならば、霰はいったい何に玉として散り留まっただろうか。
- 鑑賞
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雑歌 1367
詞書「花参らせける折しも、折敷に霰の散りけるを」
仏に花を供えていたちょうどその時、樒を載せた折敷に霰が散りかかったのを見て詠んだ一首である。樒を置く閼伽の折敷に縁がなかったならば、霰はいったい何に受け止められて玉と散ったことだろう、と詠む。
折敷の縁の内側に散り留まる霰を玉に見立て、仏前の供物にふさわしい美しさとして捉えている。仏に供える樒と閼伽の水に、天からの霰が玉として加わるという、清らかな仏道の情景である。
初句「樒置く」は、仏前に供える樒を置く、の意である。
二句「閼伽の折敷の」の「閼伽」は仏に供える水、「折敷」は供物を載せる盆の意である。
三句「縁なくは」の「なくは」は打消の仮定で、縁がなかったならば、の意である。
四句「何に霰の」は、何に霰が、の意である。
結句「玉と散らまし」の「まし」は反実仮想の助動詞で、玉として散っただろうか、と結ぶ。
しきみ:仏前に供える常緑樹
あか:仏に供える水
をしき:供物などを載せる角盆
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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谷の庵に玉の簾をかけましや すがるたるひの軒を閉ぢずは
- 次の歌
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岩にせく閼伽井の水のわりなきに 心澄めとも宿る月かな