同じくは牡蠣をぞ刺して干しもすべき
蛤よりは名もたよりあり
- 歌の意味
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同じことなら、牡蠣を串に刺して干すべきだ。蛤よりは、串柿に通じて名前もふさわしい。
- 鑑賞
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雑歌 1375
詞書「串に刺したる物を商ひけるを、何ぞと問ひければ、蛤を干して侍るなり、と申しけるを聞きて」
串に刺したものを売っていたので何かと尋ねると、蛤を干したものだと答えたのを聞いて詠んだ一首である。同じ串に刺して干すのなら、牡蠣を刺して干すべきだ、蛤よりも名前がふさわしいから、と詠む。
串に刺して干したものといえば串柿であり、「かき」の名を持つ牡蠣こそ、串に刺して干すのにふさわしいという、言葉遊びを楽しむ軽妙な歌である。前の殺生の罪をめぐる重い歌々とは趣を変え、ユーモアを見せている。
初句「同じくは」は、同じことなら、の意である。
二句「牡蠣をぞ刺して」は、牡蠣を串に刺して、の意で、「ぞ」は強意の係助詞として三句の連体形「べき」と係り結びをなす。
三句「干しもすべき」は、干すべきだ、の意で、字余りとなり、三句切れとなる。
四句「蛤よりは」は、蛤よりも、の意である。
結句「名もたよりあり」は、名前も縁があってふさわしい、の意で、串柿の「かき」に通じることを指している。
たより:縁、ゆかり、都合のよいこと
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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真鍋より塩飽へ通ふ商人は つみをかひにて渡るなりけり
- 次の歌
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栄螺住む瀬戸の岩壺求め出でて 急ぎし海人のけしきなるかな