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海人人の磯して帰るひじきものは
小螺蛤寄居虫細螺

歌の意味
海人が磯で漁をして持ち帰る品々は、小螺、蛤、寄居虫、細螺である。
鑑賞
雑歌 1380

詞書は前の歌に続き「題しらず」
 海人が磯で漁をして持ち帰る品々は、小螺、蛤、寄居虫、細螺である、と詠む。
 下の句に海の小さな生き物の名を次々と列挙した、珍しい趣向の歌である。海辺の暮らしの具体的な産物を並べることで、海人の営みを生き生きと伝えている。三句の「ひじきもの」は語義がとりにくいが、ここでは磯で採った品々の意に解した。

 初句「海人人の」は、漁師の、の意である。
 二句「磯して帰る」は、磯で漁をして帰る、の意である。
 三句「ひじきものは」は、語義がとりにくいが、磯で採った品々は、の意に解され、字余りとなっている。
 四句「小螺蛤」は、小さな巻貝の小螺と、蛤である。
 結句「寄居虫細螺」は、宿借りの寄居虫と、小さな巻貝の細螺で、体言止めで列挙を結んでいる。

こにし:小さな巻貝
かうな:宿借り、寄居虫
しただみ:小さな巻貝、細螺
作者
西行
出典
山家集
前の歌
霞しく波の初花折りかけて 桜鯛釣る沖の海人舟
次の歌
磯菜摘まん今生ひ初むる若布海苔 海松布ぎばさひじき心太