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磯菜摘まん今生ひ初むる若布海苔
海松布ぎばさひじき心太

歌の意味
磯菜を摘もう。今生えはじめた若い布海苔、海松布、ぎばさ、ひじき、心太を。
鑑賞
雑歌 1381

詞書は前の歌に続き「題しらず」
 磯菜を摘もう、今生えはじめたばかりの若い布海苔、海松布、ぎばさ、ひじき、心太の草を、と詠む。
 前歌が貝類を列挙したのに対し、本歌は海藻の名を次々と並べており、二首が対をなしている。春に芽吹く海藻を摘む海辺の暮らしを、具体的な名を連ねて描いている。

 初句「磯菜摘まん」の「ん」は意志の助動詞で、磯菜を摘もう、の意を表し、字余りとなっている。
 二句「今生ひ初むる」は、今生えはじめた、の意である。
 三句「若布海苔」は、若い布海苔の意と解される。
 四句「海松布ぎばさ」は、海藻の海松布と、ホンダワラの類のぎばさである。
 結句「ひじき心太」は、ひじきと、ところてんの原料となるテングサの類の心太で、体言止めで列挙を結んでいる。

ふのり:海藻の一種。布海苔
みるめ:海藻の一種。海松布
ぎばさ:ホンダワラの類の海藻
こころぶと:ところてん、またその原料のテングサ
作者
西行
出典
山家集
前の歌
海人人の磯して帰るひじきものは 小螺蛤寄居虫細螺
次の歌
菅島や答志の小石分け換へて 黒白混ぜよ浦の浜風