- 歌の意味
- さき島の白い小石を、高い波が答志の浜に打ち寄せたのだろう。
- 鑑賞
-
雑歌 1383
詞書は前の歌に続き「伊勢の答志と申す島には、小石の白の限り侍る浜にて、黒は一つも混じらず、向かひて菅島と申すは、黒の限り侍るなり」
答志の浜が白い小石ばかりなのは、さき島の白い小石を、高い波が答志の浜に打ち寄せたからであろう、と詠む。
答志の浜の白さの由来を、波によって運ばれた小石に求めた、想像の歌である。「さき島」は答志の近くの島と見られる。前歌に続き、白と黒の小石の連作の二首目である。
初句「さき島の」は、伊勢の島の名と見られる。
二句「小石の白を」は、白い小石を、の意である。
三句「高波の」は、高い波が、の意である。
四句「答志の浜に」は、答志島の浜に、の意である。
結句「打ち寄せてける」は、打ち寄せたのだろう、の意で、連体形止めによって詠嘆を込めている。
さきしま:伊勢の島の名と見られる
- 作者
- 西行
- 出典
- 山家集
- 前の歌
- 菅島や答志の小石分け換へて 黒白混ぜよ浦の浜風
- 次の歌
- 烏崎の浜の小石と思ふかな 白も混じらぬ菅島の黒