阿古屋採るいがひの殻を積み置きて
宝の跡を見するなりけり
- 歌の意味
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真珠を採ったいがいの殻を積み上げておいて、宝のあったその跡を見せているのであったよ。
- 鑑賞
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雑歌 1387
詞書「伊良湖へ渡りたりけるに、いがひと申す蛤に、阿古屋の宗と侍るなり、それを取りたる殻を高く積み置きたりけるを見て」
伊良湖へ渡ったとき、いがいという貝に阿古屋、すなわち真珠の主なものがあって、それを取り出した殻を高く積み上げてあったのを見て詠んだ一首である。真珠を採ったいがいの殻を積み上げておいて、宝のあったその跡を見せているのだ、と詠む。
真珠という宝を取り出された後の殻を「宝の跡」と呼び、そこにかつての宝の存在をしのぶ心を詠んでいる。積み上げられた殻の山に、人の営みのはかなさをも感じ取っている。
初句「阿古屋採る」の「阿古屋」は真珠の意で、真珠を採る、の意である。
二句「いがひの殻を」の「いがひ」は貝の名で、その殻を、の意である。
三句「積み置きて」は、積み上げておいて、の意である。
四句「宝の跡を」は、宝のあった跡を、の意である。
結句「見するなりけり」の「けり」は気づきの詠嘆で、見せているのであったよ、と結ぶ。
あこや:真珠。またそれを産む貝
いがひ:貝の名
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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今ぞ知る二見の浦の蛤を 貝合はせとて覆ふなりけり
- 次の歌
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伊良湖崎に鰹釣り舟並び浮きて はがちの波に浮かびつつぞ寄る