伊良湖崎に鰹釣り舟並び浮きて
はがちの波に浮かびつつぞ寄る
- 歌の意味
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伊良湖崎に、鰹を釣る舟が並んで浮かんで、南風の荒い波に浮かびながら岸へ寄ってくることだ。
- 鑑賞
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雑歌 1388
詞書「沖の方より風の悪しきとて、鰹と申す魚釣りける舟どもの帰りけるに」
沖の方から風が悪いというので、鰹という魚を釣っていた舟々が帰ってきたときに詠んだ一首である。伊良湖崎に、鰹を釣る舟が並んで浮かび、はがちと呼ばれる風の立てる波に浮かびながら、岸へ寄ってくる、と詠む。
荒れる海から一斉に帰港する鰹釣りの舟々の姿を、写実的に描いている。全体に字余りの多い、ゆったりとした調べの歌であり、波に揺られる舟の動きが感じられる。
初句「伊良湖崎に」は、三河国の伊良湖岬に、の意で、字余りとなっている。
二句「鰹釣り舟」は、鰹を釣る舟、の意である。
三句「並び浮きて」は、並んで浮かんで、の意で、字余りとなっている。
四句「はがちの波に」の「はがち」は、南寄りの風の名と見られ、その風の立てる波に、の意である。
結句「浮かびつつぞ寄る」の「ぞ」は強意の係助詞で、連体形「寄る」と係り結びをなし、字余りとなっている。
はがち:南寄りの風の名と見られる
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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阿古屋採るいがひの殻を積み置きて 宝の跡を見するなりけり
- 次の歌
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巣鷹渡る伊良湖が崎を疑ひて なほ木に帰る山帰りかな