はし鷹のすずろかさでもふるさせて
据ゑたる人のありがたの世や
- 歌の意味
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はし鷹を、むやみに渡らせることもせず、年を経させて手に据えている人の、なんとめったにない世であることよ。
- 鑑賞
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雑歌 1390
詞書は前の歌に続き「二つありける鷹の、伊良湖渡りをすると申しけるが、一つの鷹は留まりて、木の末にかかりて侍ると申しけるを聞きて」
前歌と同じ二羽の鷹の話を受けた一首である。はし鷹を、むやみに渡らせることもせず、年を経させて大切に手に据えている人は、この世にめったにいない、と詠む。
一首全体に語義のとりにくい語が多く、解釈の定まらない歌である。ここでは、海を渡らずに留まった鷹を、年を重ねさせて大切に飼い続ける人のありがたさを詠んだものと解した。
初句「はし鷹の」は、小型の鷹の一種であるはし鷹の、の意である。
二句「すずろかさでも」は、語義がとりにくいが、むやみに渡らせることもせずに、の意に解される。
三句「ふるさせて」は、年を経させて、古びさせて、の意に解される。
四句「据ゑたる人の」は、鷹を手に据えている人の、の意である。
結句「ありがたの世や」の「ありがた」は、めったにない意、「や」は詠嘆である。
はしたか:小型の鷹の一種
すう:鷹などを手に据える
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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巣鷹渡る伊良湖が崎を疑ひて なほ木に帰る山帰りかな
- 次の歌
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宇治川の早瀬落ち舞ふ漁舟の かづきにちがふ鯉のむらまけ