宇治川の早瀬落ち舞ふ漁舟の
かづきにちがふ鯉のむらまけ
- 歌の意味
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宇治川の早瀬を落ちるように舞い下る漁舟の、銛を突き入れる動きに行き違う、鯉の群れであることよ。
- 鑑賞
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雑歌 1391
詞書「宇治川を下りける舟の、かなつきと申す物をもて鯉の下るを突きけるを見て」
宇治川を下ってゆく舟が、かなつきという銛のような道具で、川を下る鯉を突いているのを見て詠んだ一首である。宇治川の早瀬を落ちるように舞い下る漁舟から、銛を突き入れるのに、それと行き違って逃れる鯉の群れであることよ、と詠む。
急流を下る舟と、その上から鯉を突く漁師、そしてそれをかわして泳ぐ鯉の群れという、動きのある情景を描いている。結句の「むらまけ」は語義がとりにくいが、鯉の群れの意に解した。以下、川漁をめぐる歌が続く。
初句「宇治川の」は、山城国の宇治川の、の意である。
二句「早瀬落ち舞ふ」は、早瀬を落ちるように舞い下る、の意である。
三句「漁舟の」は、漁をする舟の、の意である。
四句「かづきにちがふ」は、銛を突き入れるのに行き違う、の意に解される。
結句「鯉のむらまけ」は、語義がとりにくいが、鯉の群れの意に解される。
かなつき:魚を突く銛のような道具
はやせ:流れの速い瀬
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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はし鷹のすずろかさでもふるさせて 据ゑたる人のありがたの世や
- 次の歌
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小鮠集ふ沼の入江の藻の下は 人漬けおかねふしにぞありける