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月の澄む御祖川原に霜冴えて
千鳥遠立つ声聞こゆなり

歌の意味
月の澄みわたる御祖川原に霜が冷え冷えと降りて、千鳥が遠くへ飛び立つ声が聞こえてくる。
鑑賞
雑歌 1402

詞書「月の夜、賀茂に参りてよみ侍りける」
 月の夜に賀茂社に参詣して詠んだ一首である。月の澄みわたる下鴨の御祖川原に霜が冷え冷えと降りて、千鳥が遠くへ飛び立ってゆく声が聞こえてくる、と詠む。
 月の光と霜の白さ、千鳥の声という、冬の夜の川原の冴えわたった情景を、視覚と聴覚とで捉えている。「御祖」は下鴨神社の御祖神を指し、神域の清らかさが一首を貫いている。

 初句「月の澄む」は、月が澄みわたる、の意である。
 二句「御祖川原に」の「御祖」は、下鴨神社の御祖神を指し、その社の近くの川原に、の意である。
 三句「霜冴えて」は、霜が冷え冷えと降りて、の意である。
 四句「千鳥遠立つ」は、千鳥が遠くへ飛び立つ、の意である。
 結句「声聞こゆなり」の「なり」は推定の助動詞で、声が聞こえてくるようだ、と聞いて判断する意を表す。

みおや:下鴨神社の御祖神
とほだつ:遠くへ飛び立つ
作者
西行
出典
山家集
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並びゐて友を離れぬ小雀の ねぐらに頼む椎の下枝
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立ちのぼる月のあたりに雲消えて 光重ぬる七越の峰