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いかで我心の雲に塵据ゑで
見るかひありて月を眺めん

歌の意味
どうにかして私は、心の雲に塵をとどめずにいて、見る甲斐があるように月を眺めたいものだ。
鑑賞
雑歌 1405

詞書なし
 どうにかして心の雲に塵をとどめないようにして、見る甲斐のあるように月を眺めたいものだ、と詠む。
 月を仏の悟りの象徴とし、それを曇らせる心の煩悩を雲や塵にたとえている。心を清めてこそ月を見る甲斐がある、という仏道の思いが込められている。以下、月をめぐる述懐の歌が続く。本文は「ちりすゑて」とあり、濁点を補って「据ゑで」と読み、塵をとどめずに、の意に解した。

 初句「いかで我」の「いかで」は、どうにかして、の意である。
 二句「心の雲に」は、心を曇らせる煩悩の雲に、の意である。
 三句「塵据ゑで」は、塵をとどめないで、の意で、本文の「すゑて」に濁点を補って読んだものである。
 四句「見るかひありて」は、見る甲斐があるように、の意で、字余りとなっている。
 結句「月を眺めん」の「ん」は意志の助動詞で、月を眺めたい、と結ぶ。

いかで:どうにかして
作者
西行
出典
山家集
前の歌
敷き渡す月の氷を疑ひて ひびの手まはる味の群鳥
次の歌
眺め居りて月の影にぞ世をば見る すむもすまぬもさなりけりとは