- 歌の意味
- そうしてばかり、涙に濡れた袂に月の光を宿しているべきだろうか。弱い心よ、月を眺めるな。
- 鑑賞
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雑歌 1408
詞書なし
そうしてばかり、涙に濡れた袂に月の光を映し宿していてよいものだろうか、弱い心よ、もう月を眺めるな、と自らを戒めている。
月を見るたびに涙を流し、その涙に月が映る自分の心の弱さを叱っている。月を愛しながらも、それに溺れる心を戒める、修行者の葛藤が表れている。
初句「さのみやは」の「やは」は反語で、そうしてばかり、の意を表す。
二句「袂に影を」は、涙に濡れた袂に月の光を、の意である。
三句「宿すべき」は、宿しているべきだろうか、いやそうではない、の意で、三句切れとなる。
四句「弱し心よ」は、弱い心よ、と呼びかける表現である。
結句「月な眺めそ」の「な〜そ」は禁止を表し、月を眺めるな、と結ぶ。
な〜そ:〜するな、という禁止を表す
- 作者
- 西行
- 出典
- 山家集
- 前の歌
- 雲晴れて身に憂へなき人の身ぞ さやかに月の影は見るべき
- 次の歌
- 月に恥ぢてさし出でられぬ心かな 眺むが袖に影の宿れば