月に恥ぢてさし出でられぬ心かな
眺むが袖に影の宿れば
- 歌の意味
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月に恥じて、表に出ることができない心であることよ。眺めている私の袖に、月の光が涙に宿って映るので。
- 鑑賞
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雑歌 1409
詞書なし
月に対して恥ずかしく思い、表に出ることもできない心であることよ、眺めている私の袖の涙に、月の光が宿って映るので、と詠む。
月を見て涙を流す自分の姿を、月に見られるのが恥ずかしいという心である。前歌で月を眺めるなと自らを戒めたのに続き、涙に映る月によって自分の弱さを見透かされるような思いを詠んでいる。
初句「月に恥ぢて」は、月に対して恥ずかしく思って、の意で、字余りとなっている。
二句「さし出でられぬ」の「られ」は可能の助動詞で、表に出ることができない、の意である。
三句「心かな」の「かな」は詠嘆の終助詞で、三句切れとなる。
四句「眺むが袖に」は、本文、読み仮名の行ともに「なかむか」とあり、眺める我が袖に、の意に解される。
結句「影の宿れば」は、月の光が宿るので、の意で、倒置によって恥じる理由を示している。
さしいづ:表に出る、前に出る
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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さのみやは袂に影を宿すべき 弱し心よ月な眺めそ
- 次の歌
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心をば見る人ごとに苦しめて 何かは月の取り所なる