- 歌の意味
- 袖が涙に濡れているのは、つらい我が身の袖の癖であるのに、それを月を見たせいにしてしまったことよ。
- 鑑賞
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雑歌 1411
詞書なし
袖が涙に濡れているのは、つらい我が身の袖のいつもの癖であるのに、それを月を見たせいにしてしまったことだ、と詠む。
前歌で月を責めたのを受け、実は涙は月のせいではなく、もともとつらい身の癖であったと反省している。月を責めた自分を省みる、内省的な一首である。
初句「露けさは」は、涙に濡れていることは、の意である。
二句「憂き身の袖の」は、つらい我が身の袖の、の意である。
三句「癖なるを」の「を」は逆接で、癖であるのに、の意である。
四句「月見る咎に」は、月を見たせいに、の意である。
結句「負ほせつるかな」の「負ほす」は、責任を負わせる意で、「かな」は詠嘆の終助詞である。
つゆけし:涙に濡れて湿っぽい
おほす:罪や責任を負わせる
- 作者
- 西行
- 出典
- 山家集
- 前の歌
- 心をば見る人ごとに苦しめて 何かは月の取り所なる
- 次の歌
- 眺め来て月いかばかり偲ばれん この世し雲の外になりなば