いつか我この世の空を隔たらん
あはれあはれと月を思ひて
- 歌の意味
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いつか私はこの世の空から遠く隔たってしまうのだろう。ああ、ああ、と月をしみじみ思いながら。
- 鑑賞
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雑歌 1413
詞書なし
いつの日か私は、この世の空から遠く隔たって死んでゆくのだろう、ああ、ああと、月をしみじみと思いながら、と詠む。
死によってこの世の空、すなわち月の照る空から隔てられる日を思い、その時にもなお月を慕い続けるだろうという心である。「あはれあはれ」の繰り返しに、月への尽きない思いが込められている。前歌に続き、死と月とをめぐる述懐である。
初句「いつか我」は、いつの日か私は、の意である。
二句「この世の空を」は、この世の空から、の意である。
三句「隔たらん」の「ん」は推量の助動詞で、隔たってしまうのだろう、の意を表し、三句切れとなる。
四句「あはれあはれと」は、ああ、ああと、の意で、深い感動の繰り返しである。
結句「月を思ひて」は、月を思いながら、の意で、倒置によってその時の心を示している。
へだたる:遠く離れる
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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眺め来て月いかばかり偲ばれん この世し雲の外になりなば
- 次の歌
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露もありつ返す返すも思ひ知りて ひとりぞ見つる朝顔の花