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ひときれは都を捨てて出づれども
巡りてはなほ木曽の懸け橋

歌の意味
いったんは都を捨てて出たけれども、めぐりめぐって、やはり木曽の懸け橋のような危うい道を渡っている。
鑑賞
雑歌 1415

詞書なし
 いったんは都を捨てて出家し、旅に出たけれども、めぐりめぐって、やはり木曽の懸け橋のような危うい道を渡っていることだ、と詠む。
 木曽の懸け橋は、信濃の木曽谷の断崖に架けられた危うい桟道で、歌枕である。遁世してもなお世の危うさから逃れきれない身を、その懸け橋にたとえていると解される。語義のとりにくい語を含み、解釈は定まらないが、ここでは右のように解した。

 初句「ひときれは」は、いったんは、ひとたびは、の意に解される。
 二句「都を捨てて」は、都を捨てて、の意である。
 三句「出づれども」は、出たけれども、の意である。
 四句「巡りてはなほ」は、めぐりめぐって、やはり、の意である。
 結句「木曽の懸け橋」は、信濃の木曽の桟道で、体言止めとなっている。

きそのかけはし:信濃国木曽谷の断崖に架けた桟道。歌枕
作者
西行
出典
山家集
前の歌
露もありつ返す返すも思ひ知りて ひとりぞ見つる朝顔の花
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