呉竹のふし繁からぬよなりせば
この君はとてさし出でなまし
- 歌の意味
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呉竹の節のように、憂きことの多くない世の中であったならば、この君こそはと、進み出て仕えもしただろうに。
- 鑑賞
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雑歌 1420
詞書なし
呉竹の節が繁くないように、つらいことの多くない世の中であったならば、この君こそはと、進み出てお仕えもしただろうに、と詠む。
竹の異名を「この君」と言うことから、呉竹とこの君とを結びつけている。「ふし」に竹の節と、つらいことの節々とを、「よ」に竹の節間と世とを掛け、竹の縁語を巧みに連ねて、憂き世ゆえに出仕しなかった自らの身を詠んでいる。
初句「呉竹の」は、呉竹の、の意で、竹の縁語を導いている。
二句「ふし繁からぬ」の「ふし」は、竹の「節」と、つらいことの「節」を掛けた掛詞である。
三句「よなりせば」の「よ」は、竹の節間と「世」を掛けた掛詞で、「せば」は反実仮想の条件である。
四句「この君はとて」の「この君」は、竹の異名と、主君の意を重ねている。
結句「さし出でなまし」の「まし」は反実仮想の助動詞で、進み出たであろうに、と結ぶ。
このきみ:竹の異名
ふし:竹の「節」と、つらいことの「節」を掛ける
よ:竹の節間と「世」を掛ける
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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思へ心人のあらばや世にも恥ぢん さりとてやはと諫むばかりぞ
- 次の歌
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悪し善しを思ひ分くこそ苦しけれ ただあらさればあられける身を