悪し善しを思ひ分くこそ苦しけれ
ただあらさればあられける身を
- 歌の意味
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善し悪しを思い分けることこそ苦しいものだ。ただあるがままにしていれば、そのまま生きていられる身なのに。
- 鑑賞
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雑歌 1421
詞書なし
物事の善し悪しをあれこれと思い分けることこそが苦しいものだ、ただあるがままにしていれば、そのまま生きてゆける身なのに、と詠む。
分別をはたらかせることが苦しみを生むという、仏教的な無分別の境地へのあこがれを詠んでいる。是非善悪を超えて、あるがままに生きることを願う心である。下の句は語義のとりにくいところがあるが、ここでは右のように解した。
初句「悪し善しを」は、悪いことと良いことを、の意である。
二句「思ひ分くこそ」の「こそ」は強意の係助詞で、三句の已然形「けれ」と係り結びをなす。
三句「苦しけれ」は、苦しいものだ、の意で、三句切れとなる。
四句「ただあらされば」は、語義がとりにくいが、ただあるがままにしていれば、の意に解される。
結句「あられける身を」の「を」は逆接の詠嘆で、生きていられる身なのに、と結ぶ。
おもひわく:思い分ける、判断する
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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呉竹のふし繁からぬよなりせば この君はとてさし出でなまし
- 次の歌
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深く入るは月ゆゑとしもなきものを うき世しのばんみ吉野の山