思ひ出でて誰かはとめて分けも来ん
入る山道の露の深さを
- 歌の意味
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私を思い出して、誰が跡を尋ねて分け入って来るだろうか。私の入ってゆく山道の、露の深さを。
- 鑑賞
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雑歌 1427
詞書なし
私を思い出して、いったい誰が跡を尋ねて、私の入ってゆく露深い山道を分け入って来るだろうか、誰も来はしない、と詠む。
深山に分け入る遁世者の孤独を、露の深い山道に託して詠んでいる。訪ねてくる人のないことを嘆きつつも、それを覚悟の上で山に入ってゆく心がうかがえる。
初句「思ひ出でて」は、私を思い出して、の意で、字余りとなっている。
二句「誰かはとめて」の「かは」は反語で、誰が跡を尋ねて、の意を表す。
三句「分けも来ん」は「かは」と呼応して連体形で、分け入って来るだろうか、いや来ない、の意を表し、三句切れとなる。
四句「入る山道の」は、私の入ってゆく山道の、の意である。
結句「露の深さを」は、露の深さを、の意で、倒置によって分け入る対象を示している。
とむ:尋ね求める
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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瀬を早み宮滝川を渡り行けば 心の底の澄む心地する
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呉竹の今いくよかは起き伏して 庵の窓をあけおろすべき