- 歌の意味
- その仏道の筋に入ったならば、心よ、どうして人目を気にして、世間に対して包み隠したりするのだろう。
- 鑑賞
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雑歌 1429
詞書なし
仏道というその筋に入ったのならば、心よ、どうして人目を気にして、世間に対して自分を包み隠したりするのだろう、と詠む。
出家して仏道に入ったはずなのに、なお世間の目を気にする自分の心を問いただしている。本巻の第千四百十六首などと同じく、遁世しきれない自らを省みる歌である。
初句「その筋に」は、その道、仏道に、の意である。
二句「入りなば心」の「なば」は完了の助動詞「ぬ」の未然形に「ば」が付いた仮定条件で、入ったならば、心よ、の意である。
三句「何しかも」は、どうして、の意である。
四句「人目思ひて」は、人目を気にして、の意である。
結句「世に包むらん」の「らん」は原因推量の助動詞で、世間に包み隠すのだろう、と結ぶ。
すぢ:道筋、方面
- 作者
- 西行
- 出典
- 山家集
- 前の歌
- 呉竹の今いくよかは起き伏して 庵の窓をあけおろすべき
- 次の歌
- 緑なる松に重なる白雪は 柳の衣を山に覆へる