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緑なる松に重なる白雪は
柳の衣を山に覆へる

歌の意味
緑の松に重なり積もる白雪は、柳襲の衣を山に覆いかけているようだ。
鑑賞
雑歌 1430

詞書なし
 緑の松に重なって積もる白雪は、まるで表が白く裏が青い柳襲の衣を、山に覆いかけたようだ、と詠む。
 白雪の下から緑の松がのぞくさまを、表白裏青の柳襲という衣の配色に見立てている。冬の山の白と緑の色彩を、王朝の装束の美しさで捉えた優美な見立ての歌である。

 初句「緑なる」は、緑色の、の意である。
 二句「松に重なる」は、松に重なり積もる、の意である。
 三句「白雪は」は、白い雪は、の意である。
 四句「柳の衣を」は、表が白く裏が青い柳襲の衣を、の意である。
 結句「山に覆へる」の「る」は存続の助動詞「り」の連体形で、山に覆いかけている、と連体形止めで詠嘆を込めている。

やなぎがさね:表が白、裏が青の襲の色目
作者
西行
出典
山家集
前の歌
その筋に入りなば心何しかも 人目思ひて世に包むらん
次の歌
盛りならぬ木もなく花の咲きにけると 思へば雪を分くる山道