波と見ゆる雪を分けてぞ漕ぎ渡る
木曽の懸け橋底も見えねば
- 歌の意味
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波のように見える雪を分けて、まるで舟を漕ぐように渡ってゆく。木曽の懸け橋は、谷底も見えないので。
- 鑑賞
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雑歌 1432
詞書なし
波のように見える深い雪を分けて、まるで舟を漕ぐようにして渡ってゆく、木曽の懸け橋は、雪に覆われて谷底も見えないので、と詠む。
雪に覆われた木曽の懸け橋を渡るさまを、雪の海を舟で漕ぎ渡ることに見立てている。谷底が見えないほどの深雪の中、危うい桟道を渡る恐ろしさと、その壮大な景とが描かれている。本巻の第千四百十五首でも木曽の懸け橋が詠まれていた。
初句「波と見ゆる」は、波のように見える、の意で、字余りとなっている。
二句「雪を分けてぞ」の「ぞ」は強意の係助詞で、三句の連体形「渡る」と係り結びをなす。
三句「漕ぎ渡る」は、舟を漕ぐように渡る、の意で、雪を波に見立てたことによる表現であり、三句切れとなる。
四句「木曽の懸け橋」は、信濃の木曽の桟道で、歌枕である。
結句「底も見えねば」は、谷底も見えないので、の意で、倒置によって漕ぎ渡る理由を示している。
きそのかけはし:信濃国木曽谷の断崖に架けた桟道。歌枕
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
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盛りならぬ木もなく花の咲きにけると 思へば雪を分くる山道
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真鶴は沢の氷の鏡にて 千歳の影をもてやなすらん