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真鶴は沢の氷の鏡にて
千歳の影をもてやなすらん

歌の意味
真鶴は、沢に張った氷を鏡として、千年の長寿の姿をそこに映し出しているのだろうか。
鑑賞
雑歌 1433

詞書なし
 真鶴は、沢に張った氷を鏡として、千年を生きる長寿の自らの姿を、そこに映し出しているのだろうか、と詠む。
 千年の長寿を象徴する鶴が、氷の鏡に姿を映すさまを描き、めでたさと冬の清澄な情景とを重ねている。氷を鏡に見立てる趣向が印象的な一首である。

 初句「真鶴は」の「真鶴」は鶴の一種である。
 二句「沢の氷の」は、沢に張った氷の、の意である。
 三句「鏡にて」は、鏡として、の意で、氷を鏡に見立てている。
 四句「千歳の影を」は、千年を生きる長寿の姿を、の意である。
 結句「もてやなすらん」の「や」は疑問の係助詞で、連体形「らん」と係り結びをなし、映し出しているのだろうか、と結ぶ。

まなづる:鶴の一種
ちとせ:千年。鶴の長寿を表す
作者
西行
出典
山家集
前の歌
波と見ゆる雪を分けてぞ漕ぎ渡る 木曽の懸け橋底も見えねば
次の歌
沢も解けず摘めど筐にとどまらで 目にもたまらぬゑぐの草茎