- 歌の意味
- 田の見える池の堤の高さを増して、たたえている水は、春の夜のためなのだろうか。
- 鑑賞
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雑歌 1436
詞書なし
田の見える池の堤を高くして、なみなみとたたえている水は、春の夜の月を映すためなのだろうか、と詠む。
本来は田に引くための灌漑の水を、春の夜の風情のためかと見る、風雅な見立ての歌である。結句の「春の夜のため」には、農事の実用を風流の目で捉え直す機知がある。
初句「田代見ゆる」の「田代」は田の意で、田の見える、の意である。字余りとなっている。
二句「池の堤の」は、池の堤の、の意である。
三句「かさ添へて」の「かさ」は高さ、量の意で、高さを増して、の意である。
四句「湛ふる水や」の「や」は疑問で、たたえている水は、の意である。
結句「春の夜のため」は、春の夜のためか、の意で、体言止めとなっている。
たしろ:田、田んぼ
かさ:高さ、量
- 作者
- 西行
- 出典
- 山家集
- 前の歌
- 君がすむ岸の岩より出づる水の 絶えぬ末をぞ人も汲みける
- 次の歌
- 庭に流す清水の末を堰き止めて 門田養ふ心にもあるかな