古典和歌stream

庭に流す清水の末を堰き止めて
門田養ふ心にもあるかな

歌の意味
庭に流している清水の末を堰き止めて、門前の田を養おうとする心でもあることよ。
鑑賞
雑歌 1437

詞書なし
 庭に引いて流している清水の末を堰き止めて、門前の田を潤し養おうとする心でもあることよ、と詠む。
 庭の風雅のための清水を、田を養う実用にも用いる、という暮らしの知恵を詠んでいる。前歌の、灌漑の水を風雅の目で見たのとは逆に、風雅の水を実用に生かす心を詠んでおり、二首が対をなしている。

 初句「庭に流す」は、庭に引いて流す、の意で、字余りとなっている。
 二句「清水の末を」は、清水の流れの末を、の意である。
 三句「堰き止めて」は、堰き止めて、の意である。
 四句「門田養ふ」の「門田」は、家の門前にある田の意で、それを潤し養う、の意である。
 結句「心にもあるかな」の「かな」は詠嘆の終助詞で、字余りとなっている。

かどた:家の門前にある田
作者
西行
出典
山家集
前の歌
田代見ゆる池の堤のかさ添へて 湛ふる水や春の夜のため
次の歌
伏見過ぎぬ岡の屋になほ留まらじ 日野まで行きて駒試みん