波の打つ音を鼓にまがふれば
入日の影のうちて揺らるる
- 歌の意味
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波の打つ音を鼓の音と見まがうので、入日の光までが、鼓を打つにつれて揺れているように見える。
- 鑑賞
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雑歌 1447
詞書「日の入る、鼓の如し」
「日の入る、鼓の如し」という題、あるいは経文の句を詠んだ一首である。波の打ち寄せる音を鼓の音と聞きまがうので、海に沈む入日の光までが、鼓が打たれるにつれて揺れ動くように見える、と詠む。
沈む夕日を鼓にたとえる表現を受け、波音を鼓の音とし、波間に揺れる入日の光を、鼓を打つ動きに重ねている。聴覚と視覚とを結びつけた、壮大な日没の情景である。
初句「波の打つ」は、波の打ち寄せる、の意である。
二句「音を鼓に」は、その音を鼓の音に、の意である。
三句「まがふれば」は、見まがうので、聞きまがうので、の意である。
四句「入日の影の」は、沈む夕日の光が、の意である。
結句「うちて揺らるる」の「うち」は、鼓を「打つ」意と、波が「打つ」意を重ね、揺れ動くように見える、と連体形止めで結んでいる。
いりひ:沈む夕日
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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古りにけり君が御幸の鈴の奏は いかなる世にも絶えず聞こえて
- 次の歌
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山里の人もこずゑの松が末に あはれに来ゐるほととぎすかな