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腹赤釣るお□□□つきてすまふ波に
けことおぼゆる入り取りの海人

歌の意味
腹赤を釣る、□□□について争うように寄せる波の中で、ただならぬことと思われる、入り取りの海人であることよ。
鑑賞
雑歌 1451

詞書なし
 前歌に続き、腹赤の漁を詠んだ一首である。本文の二句に欠字があり、一首の意味は十分には明らかでないが、腹赤を釣る場所で、争うように寄せる波の中、入り取りの漁をする海人の姿が、ただならぬものに思われる、と詠んだものと見られる。
 本文は二句の一部が「xxx」と記されて欠字となっているため、ここでは欠字を「□□□」として示した。前歌の、通る船に難癖をつける漁師たちの姿とつながる歌と見られる。

 初句「腹赤釣る」は、腹赤という魚を釣る、の意で、前歌と同じ初句である。
 二句「お□□□つきて」は、本文に欠字があり、語義を定めがたい。
 三句「すまふ波に」の「すまふ」は、争う、抵抗する意で、争うように寄せる波に、の意に解される。字余りとなっている。
 四句「けことおぼゆる」の「けこと」は、ただならぬこと、異様なことの意に解される。
 結句「入り取りの海人」は、入り込んで魚を捕る漁をする海人の意に解され、体言止めとなっている。

すまふ:争う、抵抗する
作者
西行
出典
山家集
前の歌
腹赤釣る大わた崎の浮け縄に 心かけつつ過ぎんとぞ思ふ
次の歌
磯菜摘みて波かけられて過ぎにける 鰐の住みける大磯の根を