人はみな吉野の山へ入りぬめり
都の花に我はとまらん
- 歌の意味
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人はみな吉野の山へ入ってしまったようだ。都の花のもとに、私はとどまろう。
- 鑑賞
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百首 1455
詞書は前の歌に続き「花十首」
花十首の三首目である。花の盛りに人々はみな吉野山へ出かけてしまったようなので、自分は都の花のもとにとどまろう、と詠む。
人々がこぞって名所へ向かうのとは逆に、人の去った都に残って静かに花を見ようとする、群れに従わない心が詠まれている。第千四百五十三首では心を吉野の花に留めたが、本歌では身を都の花にとどめるとしており、「とむ」「とまる」の語が響き合っている。
初句「人はみな」は、世の人はみな、の意で、結句の「我は」と対をなしている。
二句「吉野の山へ」は、前の二首に続いて吉野山を詠み込み、花の名所へ向かう人々の行き先を示す。
三句「入りぬめり」の「ぬ」は完了、「めり」は推定で、入ってしまったようだ、の意を表し、三句切れとなる。
四句「都の花に」は、人の去った都に咲く花に、の意で、吉野の花と対比されている。
結句「我はとまらん」の「ん」は意志で、私はとどまろう、の意である。
とまる:その場に残る、とどまる
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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吉野山高嶺の桜咲きそめば かからんものか花の薄雲
- 次の歌
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尋ね入る人には見せじ山桜 我とを花に逢はんと思へば