山桜ほどなく見ゆるにほひかな
盛りを人に待たれ待たれて
- 歌の意味
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山桜は、ほんのつかの間に見える美しさであることよ。盛りを人々に待たれに待たれて。
- 鑑賞
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百首 1458
詞書は前の歌に続き「花十首」
花十首の六首目である。人々に盛りを待たれに待たれて咲いた山桜の美しさが、ほんのつかの間しか見られないことを惜しむ。
長く待たれた末の盛りが短いという、待つ時間と見る時間との落差に、花のはかなさが表されている。前歌で見に行こうとした山桜の盛りを、ここでは待たれる花の側から捉え直している。
初句「山桜」は、前の二首から続けて同じ語を置いている。
二句「ほどなく見ゆる」の「ほどなく」は、時間が短い意で、つかの間に見える、の意である。
三句「にほひかな」の「にほひ」は、色の美しさ、華やかさの意で、「かな」は詠嘆を表し、三句切れとなる。
四句「盛りを人に」は、花の盛りを人々に、の意である。
結句「待たれ待たれて」の「れ」は受身で、待たれに待たれて、の意である。同じ語を重ねて待つ時間の長さを表し、倒置となっている。
にほひ:色の美しさ、華やかさ
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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山桜咲きぬと聞きて見にゆかん 人を争ふ心とどめて
- 次の歌
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花の雪の庭に積もるに跡つけじ 門なき宿と言ひ散らさせて