- 歌の意味
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根に帰っていく花を見送って、吉野山の、夏との境にまで入り、そして出てきたことだ。
- 鑑賞
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百首 1462
詞書は前の歌に続き「花十首」
花十首の結びの一首である。散って根に帰っていく花を見送り、吉野山で春が夏へと移る境にまで分け入って、そして山を出てきた、と詠む。
花を最後まで見届けた者の、春の終わりを告げる一首である。散った花は根に帰るという考え方は、崇徳院の「花は根に鳥は古巣に帰るなり」の歌が千載集に見えるように、当時よく知られたものであった。巻頭の第千四百五十三首と同じく吉野山を詠み、花の散ったあとの木から始まった花十首を、花を根に送り終える一首で閉じている。
初句「根に帰る」は、散った花が木の根もとに帰っていく意で、花の終わりを表す。
二句「花を送りて」は、花を見送って、の意である。
三句「吉野山」は、花十首の舞台であり、第千四百五十三首、第千四百五十四首、第千四百六十一首と呼応している。
四句「夏の境に」は、春が夏へと移り変わる境目に、の意である。
結句「入りて出でぬる」の「ぬる」は完了「ぬ」の連体形による連体止めで、入っていって出てきたことだ、という詠嘆を表す。
ねにかへる:散った花が根もとに帰る、花が終わる
さかひ:境目
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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吉野山麓の滝に流す花や 峰に積もりし雪の下水
- 次の歌
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鳴かん声や散りぬる花の名残なる やがて待たるる郭公かな