- 歌の意味
- 郭公よ、山深いほとりに住む甲斐は、梢から梢へと続く声を聞くことであるよ。
- 鑑賞
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百首 1470
詞書は前の歌に続き「郭公十首」
郭公十首の八首目である。山深いところに住んでいる甲斐は、梢から梢へと鳴き継いでゆく郭公の声を聞けることだ、と詠む。
山住みの寂しさの中にも、里では得られない喜びがあることを、郭公の声を通して詠んでいる。前歌と「山辺」の語を共有し、前歌の古い山辺の暁の声に対して、深い山辺で絶え間なく続く声を詠んでいる。
初句「郭公」は、呼びかけの形で詠む対象を示している。
二句「深き山辺に」は、山深いほとりに、の意で、前歌の「古き山辺の」と対応している。
三句「住むかひは」の「かひ」は甲斐で、住んでいる値打ちは、の意である。
四句「梢に続く」は、梢から梢へと声が続いていく、の意である。
結句「声を聞くかな」の「かな」は詠嘆で、声を聞くことであるよ、の意である。
かひ:値打ち、効果
こずゑ:木の枝の先
- 作者
- 西行
- 出典
- 山家集
- 前の歌
- 郭公なべて聞くには似ざりけり 古き山辺の暁の声
- 次の歌
- 夜の床をなき浮かさなん郭公 物思ふ袖を訪ひに来たらば