- 歌の意味
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郭公よ、月の傾いてゆく山の端に、出てきた声がまた帰り入ってゆくことだ。
- 鑑賞
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百首 1472
詞書は前の歌に続き「郭公十首」
郭公十首の結びの一首である。山の端から聞こえてきた郭公の声が、月の沈みかける山の端へと帰り入っていく、と詠む。
鳴きながら飛び去る郭公の声の動きを、月の入る山の端と重ねて描いた一首である。声が「出で」て「帰り入る」という動きによって、郭公の一声の短さと夜明け近い時刻とが表されている。郭公十首の終わりに月を詠み込み、次の月十首へとつないでいる。
初句「郭公」は、呼びかけの形で詠む対象を示している。
二句「月の傾く」は、月が西に傾いて沈みかける、の意で、夜明けが近いことを示す。
三句「山の端に」は、山の稜線に、の意である。
四句「出でつる声の」の「つる」は完了で、出てきた声が、の意である。
結句「帰り入るかな」は、四句の「出で」と対をなし、また帰り入ってゆくことだ、の意で、「かな」は詠嘆を表す。
やまのは:山の稜線、山と空との境
かたぶく:傾く、月が沈みかける
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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夜の床をなき浮かさなん郭公 物思ふ袖を訪ひに来たらば
- 次の歌
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伊勢島や月の光のさひか浦は あかしには似ぬ影ぞ澄みける