伊勢島や月の光のさひか浦は
あかしには似ぬ影ぞ澄みける
- 歌の意味
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伊勢島よ、月の光の照らすさひかの浦では、明石とは比べものにならないほど明るく、月影が澄んでいることだ。
- 鑑賞
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百首 1473
詞書「月十首」
月十首の一首目である。伊勢のさひかの浦に照る月の光は、月の名所である明石の浦とは比べものにならないほど明るく澄んでいる、と詠む。
古来、月の名所として知られた明石を引き合いに出し、それにまさる伊勢の浦の月を称えた一首である。「さひか浦」は伊勢の浦の名と見られるが、所在は明らかでない。地名「明石」に「明かし」を掛け、月の明るさを強調している。
初句「伊勢島や」は、伊勢の国の島々よ、の意で、「や」は詠嘆の間投助詞である。
二句「月の光の」は、月の光が照らす、の意である。
三句「さひか浦は」は、伊勢の浦の名と見られる地名で、字余りとなっている。
四句「あかしには似ぬ」の「あかし」は、月の名所である地名の「明石」と、明るい意の「明かし」とを掛けた掛詞で、明石の月にも似ない、の意である。次歌の第千四百七十五首でも「あかしの浦」が詠まれている。
結句「影ぞ澄みける」の「ぞ」は係助詞で、「ける」の連体形で結ぶ係り結びとなり、月影が澄んでいることだ、の意を強めている。
あかし:地名の明石と、明るい意の明かしを掛ける
かげ:月の光
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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郭公月の傾く山の端に 出でつる声の帰り入るかな
- 次の歌
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池水に底清く澄む月影は 波に氷を敷き渡すかな