月の夜やがて友とをなりていづくにも
人知らざらん住みか教へよ
- 歌の意味
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月の夜に、そのまま私の友となって、どこであってもよいから、人の知らない住みかを教えてくれ。
- 鑑賞
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百首 1482
詞書は前の歌に続き「月十首」
月十首の結びの一首である。月の照る夜に、月がそのまま自分の友となって、どこでもよいから人に知られない住みかを教えてほしい、と月に願う。
月を唯一の友とし、人の知らない所に隠れ住みたいという、隠遁の願いを詠んだ一首である。第千四百七十九首で月を生涯の思い出とした心が、ここでは月を道しるべとして世を離れたいという願いへと展開している。初句から二句にかけて大きな字余りとなっている。
初句「月の夜」は、月の照る夜に、の意で、二句にかけて七音となる大きな字余りである。
二句「やがて友とを」の「やがて」は、そのまま、の意、「を」は語調を整える間投助詞で、そのまま友となって、の意である。
三句「なりていづくにも」は、なって、どこであっても、の意である。
四句「人知らざらん」の「ん」は推量の連体形で、人に知られないであろう、の意である。
結句「住みか教へよ」は、住みかを教えてくれ、の意で、命令形によって月に呼びかけている。
いづく:どこ
すみか:住む所
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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憂き世とも思ひ通さじ押し返し 月の澄みける久方の空
- 次の歌
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信楽の杣の大路はとどめてよ 初雪降りぬむこの山人