急がずは雪に我が身や留められて
山辺の里に寺を待たまし
- 歌の意味
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急がなかったならば、雪に我が身は引き留められて、山辺の里で寺を待っていたことだろうか。
- 鑑賞
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百首 1484
詞書は前の歌に続き「雪十首」
雪十首の二首目である。もし急いでいなかったら、雪に足止めされて、山辺の里で時を過ごすことになっただろう、と詠む。
雪に閉ざされる山里の暮らしを、急ぐ旅の身から思いやった一首である。前歌が雪を踏ませまいとしたのに対し、本歌は雪に引き留められる身を詠んでいる。なお本文の結句は「寺をまたまし」とあり、読み仮名の行の「はるをまたまし」と一致しない。読み仮名の行によれば、春を待つことになっただろう、の意となるが、ここでは本文の表記に従う。
初句「急がずは」の「ずは」は打消の仮定で、急がなかったならば、の意である。
二句「雪に我が身や」の「や」は係助詞で、結句の「まし」と係り結びをなす。
三句「留められて」の「れ」は受身で、引き留められて、の意である。
四句「山辺の里に」は、山のほとりの里に、の意である。
結句「寺を待たまし」の「まし」は反実仮想で、待っていただろうに、の意を表し、二句の「や」を受けている。
やまべ:山のほとり
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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信楽の杣の大路はとどめてよ 初雪降りぬむこの山人
- 次の歌
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あはれ知りて誰か分け来ん山里の 雪降り埋む庭の夕暮