湊川苫に雪吹く友舟は
むやひつつこそ夜を明かしけれ
- 歌の意味
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湊川で、苫に雪の吹きつける連れ立った舟は、互いにつなぎ合いながら夜を明かしたことだ。
- 鑑賞
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百首 1486
詞書は前の歌に続き「雪十首」
雪十首の四首目である。湊川で、苫屋根に雪の吹きつける舟どうしが、互いに綱でつなぎ合いながら寒い夜を明かした、と詠む。
雪の吹きつける川辺で身を寄せ合う舟の姿に、厳しい冬の夜を共に耐える心細さとぬくもりとを描いた一首である。前歌の山里の雪に対して、本歌は川の湊の雪を詠み、雪十首の舞台を山から水辺へと移している。
初句「湊川」は、川の河口の港の意で、地名の湊川とも解される。
二句「苫に雪吹く」の「苫」は、菅や茅で編んだ舟の覆いで、そこに雪が吹きつける、の意である。
三句「友舟は」は、連れ立っている舟は、の意である。
四句「むやひつつこそ」の「むやひ」は、舟を綱でつなぎ合わせる意で、「こそ」は係助詞である。
結句「夜を明かしけれ」は、四句の「こそ」を受けて已然形「けれ」で結ぶ係り結びとなり、夜を明かしたことだ、の意を強めている。
とま:菅や茅で編んで舟を覆うもの
ともぶね:連れ立って行く舟
むやふ:舟を綱でつなぎ合わせる
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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あはれ知りて誰か分け来ん山里の 雪降り埋む庭の夕暮
- 次の歌
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筏士の波の沈むと見えつるは 雪を積みつつ下るなりけり